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神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り レビュー

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星渉著 【神メンタル 「心が強い人」の人生は思い通り】のレビュー記事です。

全体の感想まとめ

・書いている内容はいわゆる「引き寄せの法則」とかスピリチュアルに近いが、脳科学的な説明もある。イメージが重要であるというあたりは、NLPに概念が近いかもしれない。
・脳は死なないことが目的であり、変化せず今の状態で生きることへ向かって変化を止めようとする。(心理学的ホメオスタシス)
・願望のイメージをいかに具体的に持つか、それが重要である。中でも、視覚に訴える方法は有効である。
・1年後どうなりたいか、何を手にしていたいか。これらについて即答できるだけ、自分の希望(=目的地)を意識できているか?
・行動をしなければ絶対に結果は得られないが、目標設定さえしっかりすればやるべき行動は自ずと下りてくる
・自分がなりたいもの、将来得たいと思っているものが、本当に心の底から思っているものか?というのは、掘り下げて考えてみると意外と違ったりするかもしれない。だからこそ、そこに思いを馳せることが必要である。

このあたりが、この本から学んだことの骨子です。

レビュー詳細

この本はジャンルで言えば、いわゆる「自己啓発本」の類に入ります。
書いている内容は「願望の叶え方」とかなので、スピリチュアルな雰囲気もありますが、全体を読んでみて「実際にやるべきことをはっきりさせて、メソッドとして確立させる」という著者の思いを感じました。

まずここであなたにお伝えしたいのは、次の真理です。「どんな願望であっても、実現するために必要なことは、もう決まっている」
(Kindle版より引用 位置No.259~)

書いている内容にはところどころ心理学的な裏付けとしての説明もされていて、
「損失回避の法則」・・・損失(損した時のダメージ)は、利益(得した時のメリット)より大きく感じる
「保有効果」・・・自分の持っているものを、本来よりも高い価値に感じる
「サンクコスト」・・・過去にかけた時間や労力があると、それがもったいなくて合理的な判断ができなくなる
「確証バイアス」・・・今の自分が正しい、という確証を求めてしまう
「カラーバス効果」・・・同じ事実を見ていても、意識した色の情報は得やすい、意識していない色の情報は得にくい
など、参考になる記述が多いです。

カラーバス効果については、通常は「カクテルパーティー効果」と似たような形で「意識すると、その情報が飛び込んでくる」という解釈が多いですが、この本では「ある物に意識を集中していると、意識していない色の情報は漏れてしまう」という感じの書き方です。どちらに着目するか、という問題であって、本質は同じことであると思いますが。

実際にこの本を読んで変われるのかどうか、自分のなりたい姿になれるかどうかは正直わかりませんが、読んでみて思ったのは「自分が望んでいることについて、振り返って考えてみないと意外とわかっていないものだな」ということ。
成功する=自らが望んでいるものを叶える、という目的を達成するためには、まず「目的地」をはっきりとさせること、その目的地のイメージをしっかりと持っておくことが重要であると何回も書かれています。
本当に実現したいと思っていることは、瞬時にそれが思い浮かぶレベルまで繰り返し繰り返し脳にインプットしていく必要があるのだろうと思います。

さらに、そのための方法論として特徴的なのが「具体的な願望イメージの作り方」。

ところが、多くの人が目的地を明確に設定しません。「お金持ちになりたい」「今より幸せになりたい」「いい人と出逢いたい」「自分を変えたい」……これでは曖昧すぎるのです。
(Kindle版より引用 位置No.313~)

あなたという飛行機が目的地に正確にたどり着くためには、①「ここ以外ない」というくらい目的地を明確に設定すること ②目的地から常に目をそらさない(忘れないようにする)こと この2つが重要なのです。
(Kindle版より引用 位置No.327~)

この本では、他の情報に比較して視覚情報が占める割合が多く、与える影響が大きいという前提から、願望をイメージする「写真」を最低30枚用意すること(=「未来体験シート」の画像を集めること)を推奨しています。
これを毎日見ることで、自分の目的地を意識し、忘れないようにする、ということです。

目的地がはっきりすることで、カラーバス効果=意識した色は目に入りやすくなる=意識している情報は気が付きやすくなる、ということが起こり、願望を実現するためのチャンスに気が付きやすくなる、と。

この後は、根拠なく自分に自信をつけるための方法として「自己肯定感」「自己効力感」の話が出てきます。
なんだかんだ、この自己肯定感(+根拠のない自信や思い込み)、これさえあったら何でもできるんじゃないかと思ったりします。(以下の本のレビューも参考にどうぞ)。

www.romulus-k-anaume.net

自己評価=セルフイメージは、自分次第で書き換えられるので、もう既にその願望が叶っている状態がイメージされている=願望を達成した状態の自己評価で生きている、という状態に意図的にできれば、そうなるために(理想と現実のギャップを埋めるために)必要な情報を勝手に脳が集め始める、といった感じです。

・願望を実現した未来への自分のインタビューを行う
・自分自身に肯定的な言葉で宣言する(いわゆる「アファメーション」を行う)
・「でも」「だって」「わからない」「難しい」「できない」などの言葉を意図的に禁止する
・「ラッキー」「ツイてる」「ありがとう」「感謝する」などの言葉を意図的に、反射的に出るようにする
具体的な方法として挙げられているのはこのあたりでしょうか。

スピリチュアルな感覚がするのはこのへんの記載からですが、アウトプットしている言葉がどのような状態であるか、ということが自分にも他人にも大きく影響する、というのは実感としても感じているので、自分の中での意識は「ある事実に対して、肯定的な捉え方も否定的な捉え方も頭の中に浮かんでいる状態なら、そう自分が思っていることを大切にした上で、外に発するものは肯定的なものにする」です。誰かへの不満や悪口が浮かんだり言いたくなったら、そう思っている自分を否定するのではなくて、そう思っていることを大切にした上で「外に出す言葉」としては、その人のいいところだったり、やってもらったことへの感謝だったり、そういうことにしよう、というのを意識するようにしたら、それまでより気分よく過ごせる日が増えたという実感があります。

「自分の願望って、実際どうなんだろうか?」
「なんとなく思っていたあの願望は、自分は実はそんなに望んでいたものではなかったのでは?」
みたいな感じに思わせる本でした。

さあ、あなたの「未来体験シート」の画像=完成図は集まりましたか?まだ画像が集まっていないのであれば、画像を集めてからこの続きを読み進めてください。なんていっても、すぐに読み進める人がほとんどでしょう。私もせっかちなので、すぐに先を知りたくて読んでしまうタイプです。そして、後でやろうと思っていて、結局やらないという人が90%以上であることも知っています。
(Kindle版より引用 位置No.839~)

本文中のこの言葉にドキッとしながら、今一度、自分の願望を振り返ってみる時間を取ってみようかと思います。

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