書評・レビュー

死ぬまでお金に困らない力が身につく25の稼ぐ本 レビュー

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千田琢哉著【死ぬまでお金に困らない力が身につく25の稼ぐ本】のレビュー記事です。

全体の感想まとめ

・「お金を稼ぐ」ための知識をつけるために必要な本は何か?
・直接的な「お金」に関する本ではなく、幅広い知識をつけるための本を紹介する本。
・教養をつけること、過去の良書から考え方の幅を身につけることが大切である。

この本を読み終えた後に覚えた「やりたいこと」は、「教養をつけたい」ということでした。
多分、今の自分には足りない、わかっているつもりになっているだけで全然知らない、わかっていないということがたくさんあるのだろうなあということを知り、それが今後に生きるのだろうと思わせてくれる本を知ることができました。

何の本を読もうかな?とか思いつつ、未読のKindle本が500冊以上ある自分ですが、やっぱり「読みたい本から読もう」というのが、読み進めるのには一番良さそうだと思いますので、気になった本を少しずつ、読み進めてみたいと思います。

レビュー詳細

1つ前の記事に書いた「お金持ちスイッチ、押しちゃう? うさんくさいけど効果バツグンの成幸法則」とか、少し前に書いた「宇宙一ワクワクするお金の授業」とかで、お金持ちになりたいということはずっと書いてあるのですが、そのための勉強をしているか?と言われると「うーん・・・」という状況だったわけです。

そこに飛び込んできたこのタイトル。「何の本を読めばいいのかなー」と思っているところには最適なものでした。なぜその本が勧められているのかを考えて、自分に活かすことができるかどうかを検討しようと思いました。

「25の本」についてそれぞれ項目が分かれているので、どの本が紹介されているかは目次を見れば全てわかります。
一通り目次を読んで感じたのは「お金とは直接関係なさそうな本」がむしろ多数だということです。著者自身、序盤に「長期的に役に立つを意識して、直接的なマネー本はできるだけ排除した」と書いています。
ちなみに25冊(+本文中に数冊)紹介されている中で読んだことがある本は「難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!」だけでした。

この本の感想をまとめるならば「お金を稼ぐために最低限必要な教養を学ぶための本25選」です。
5章立てで、
1章・・・基礎的な教養が身につく5冊
2章・・・本質を理解するための洞察力を鍛える5冊
3章・・・生きる上での新しい視点を得る5冊
4章・・・自分にとっての正解を思考する力を養う5冊
5章・・・稼ぐ知恵を獲得する5冊
という構成で、各章5冊ずつ紹介されています。
いわゆる「お金の本」は、5章に書いてある本がそれにあたります。

象徴的だなあと思ったのは、この本の中で、一番最初に紹介されている本がZ会の「現代文キーワード読解」だったというところです。後に、同じくZ会の「話題別英単語リンガメタリカ」も紹介されています。

どちらも、Z会ですから大学受験用の参考書なわけです。お金を稼ぐために読みなさい、という本に大学受験のための本が入るというのは意外でした。
「大学受験のための勉強は、人生の役に立たない」みたいな思い込みをしていた自分に気付かされます。

以下、特に自分が読んでみようかなと思った本です。

①現代文キーワード読解(Z会)
「現代文を解く際にカギとなる頻出キーワードがテーマ別に解説されている」本。
各テーマについて「なぜ、それが問われるのか」「どのように読解に活かすか」の解説があるため、深く理解ができる。

豊かな人生を生きるために「読書」が必要である、というのは既に自分の中では確立したものではあるのですが、やっぱり「多すぎて、どれを読んでいいのかわからない」という状況は多くあります。

建前やキレイ事を抜きにすると、一流の知恵というものは一流の著者によって書かれた、一流の本を読まなければ獲得できない。
お手軽なビジネス書や自己啓発書は誰でも読むから差がつかないが、難易度の高い本を読めるようになればそれだけで差がつけられる。
(Kindle版より引用 位置No.139~)

同様に、同じ本を読んだとしても、既に自分の中にある知識がある程度ないと、良書であってもそれを理解しきれずに終わってしまう、という側面があるような気がします。
大学受験のプロが見る、良質な入試問題を読み込むこと。これは役に立ちそう、というか、その知識すらない状態で突き進もうとしていたかなと思い返すきっかけになりました。

②暗算の達人(SBクリエイティブ)
ビジネスで必要なのは難しい数学ではなく、小学校レベルの算数である。が、ビジネスで欠かせない算数とは「桁を間違えないこと」「概算ができること(概算で、上の2桁を間違えないこと)」この2つだと、本書には書いてあります。
売上が1000万円なのか1億円なのかは当然ながら全く意味が違いますが、算数が苦手な状態だとこのへんがあいまいになっちゃったりします。
暗算でこのあたりの計算に慣れておくとよい、ということで参考にしたいと思いました。

③教養の教科書(学研プラス)
まんま「教養のための本」というタイトルですが、歴史・哲学・言語・心理・文化・経済・社会・日本・芸術の9つのテーマからなる「最低限の教養を身に着けるための本」です。

最後に大切なことを述べるが、本書を完璧に習得したとしても教養としては全然足りない。
「お、一応一通りざっくりと知っているのかな?」と思われる程度だ。
つまり教養人の間では本書の内容がすべて頭に入っている状態で初めて0点なのだ。
(Kindle版より引用 位置No.325~)

つまり「この本に書いてあることくらいは最低限理解しておいてくれないと、話にならないよ」と。かなり厳しいことが書いてあります。
ある程度の教養がないと、いろいろなことを思慮深く判断するっていうのは、やっぱり難しいんだろうなと感じます。
「教養を身につけたい」という思いは強くても、そのために必要な本がなんであるか、いまいちわかっていなかったので、これは読んで勉強してみようと思います。

④哲学用語辞典
「深い概念であることはわかっているけど、学んでみると難しくてよく分からない」というイメージの哲学。高校生の時の教科書に哲学の話が出てきて、面白そうだなと思ったものの結局挫折した、くらいのところで止まっていて、そこから15年以上が経ちました。

率直に申し上げて、哲学を勉強しないともったいないのだ。
なぜなら哲学というのは古今東西を代表する天才たちの知恵の結晶であり、それを先にカンニングしておけばあなたは人生で得をすることになるからだ。
(Kindle版より引用 位置No.348〜)

これも「教養の教科書」と同じで、最低限知っておくべき哲学について学ぶことができる本なのかな、という印象です。
学びたくてもどれを読んでいいのかよく分からなかったので、このあたりにチャレンジしてみようかと思います。

⑤話題別英単語リンガメタリカ
先にも書きましたが、こちらもZ会の大学受験用参考書です。「英単語」とあるように、本来は英語の勉強に使う本です。

『話題別英単語リンガメタリカ』は素晴らしい教材である。
英語の教材としても一流だろうが、教養の教材としては超一流である。
(Kindle版より引用 位置No.414〜)

教養を学ぶためのこの本の用い方は「英語は読まなくてもいい、この本に書いてある日本語だけを理解できるまで読むことだ」と言います。
英語の参考書で、英語以外を読む。という発想はなかなかしないですよね・・・
現代文キーワード読解も同じくですが、大学受験用の参考書を大人になってから読もうと思うことなど、おそらくこの本を読まなければなかったと思うのでとりあえず読んでみようと思います。問題は、Kindle版がないってことですかね。

⑥もっと言ってはいけない(新潮新書)
「頭脳と容姿は遺伝する」ということを一貫して述べられている本らしいのですが、努力でなんとかしようと思っているところをぶち壊すような説明があります。

それらの経験から気づかされた厳しい現実というのは、成功というのは概して才能に比例して努力には比例しないというものだ。
努力に比例するのは「負けたけどよくやった」「負けたけど勉強になった」という自己満足だけである。
ぜひ本書を丹念に読み込み、「世の中すべて才能で決まる」という現実を直視してもらいたい。
(Kindle版より引用 位置No.825〜)

以上、6冊です。
他のものも読もうと思ったものはたくさんあるのですが、特に「基礎的な教養をつけるための本」は、今自分が最低限の教養を身につけられているかどうか?のチェックとしても、目を通しておこうと思いました。

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