星渉著【神トーーク「伝え方しだい」で人生は思い通り】のレビュー記事です。
全体の感想まとめ
・人の心を動かす話し方とは、スキルではなく考え方である。
・実行できるか?1日3000回の「ありがとう」
大元の根底を言えば、この本の「核」はこの「話し方をスキルで解決しようとしてもうまくいかない、考え方を変える必要がある」ということのような気がします。もちろんそれだけではなく色々な具体例を挙げつつ、効果的なコミュニケーションの方法について書いてある本なのですが、どれも全ての根底には「自分が心の底からそう思っている」ということが必要になってくるだろうなという感覚があります。
トークのスキルを学ぶというよりは、人といいコミュニケーションを取るための心のあり方について書いてある本です。
レビュー詳細
「神メンタル 心が強い人の人生は思い通り」の続編です。「トーク」ではなく「トーーク」にしているのは、アメトーーク!にあやかってのものでしょうかね。
前作はタイトルにもある通りに「メンタル」に関するものだったので、若干スピリチュアルに感じる部分も多くありましたが、こちらは人とのコミュニケーションにおいてどのような話し方をすればいいのか、どのような言葉を選択すればいいのかといったことが中心に書かれています。
僕がこの本に感じた核は「結局、どういうマインドを持って接しているかが全て」です。
確かに本書の中には、こういう場合にはこういう話し方をすればいい、こういう話し方にはあまりメリットがない、とかそういう具体的なメソッドがたくさん語られているのですが、例えば「相手を信頼する」とか、そういう根底にある「マインド」がないと、小手先の技術だけでは伝わらないだろうな、と感じます。
人の心を動かすための大原則は、コミュニケーションの取り方やテクニックではなく、”自分自身の日常の姿”がすべての土台になっているという事実を認識すること。
(Kindle版より引用 位置No.282〜)
序盤の方にも上記の記述があり、この原則に従って本が進んでいきますが、その原則が一番感じられたのは、中盤から後半にかけて書いてある「ありがとうを口癖にする」の部分です。
口癖ではなくて反射的なレベルで「ありがとう」を口にできる状態になりましょう、ということが書かれているわけです。ありがとうを伝えた分だけ味方が増えていきますよ、と。
「ありがとう」の他にも、プラスの言葉が口癖になっていると人生はプラスになってきますよ、ということ(=出す「言葉」を変えると人生が変わるということ)は多くの本に書かれているのですが、本書に書かれている方法は、かなりぶっ飛んでいます。
人の心を動かす「神トレ」
「ありがとう」を1日3000回言おう。約40分間「ありがとう」と言い続けると3000回に到達します。これを1ヶ月続けると、何も考えずに反射的に「ありがとう」が出てくるようになります。
(Kindle版より引用 位置No.1708〜)
40分間ひたすらありがとうを言い続ける、という方法です。いやー、これはなかなかぶっ飛んでいます。
多分、やったらその通りになると思います。が、実際にできるかどうか。ひたすら言い続けて40分かかりますからね・・・
著者の場合には、朝起きてから出かけるまでの間が約40分なので、その間ずっと念仏のように「ありがとう」を言い続けていた、ということです。
現実的には、5分言い続けるのを8回やるとか、心の中でだけやるとか、そのあたりでしょうかね。
本質的には前作の「神メンタル」と同様に、心持ちを変えることがその重要であるというところは変わらないのですが、日常出すその「言葉」をどのようにしていくかという視点の中に、相手とのコミュニケーションでどのようなやりとりをするか、という少し広い視点があるとやりやすくなるのかなと思いました。
・絶対に相手の話を否定しない
・相手の話を最後まで聞く
・相手の話を笑顔で聞く
・相手の所属する「集団」、相手が行う「行動」、相手の「モノ」を好きだということを伝える
・相手の意見について「承認」する(相手がそう思っているということを理解しました、というメッセージを伝える)
・命令ではなく、アドバイスを求める
・相手の目を見て聞く
・感情表現豊かな反応をする
・相手よりも相手のことを信じきる
など、本書に挙げられているような具体的な方法を意識することはもちろんのこと、それが意識せずにできるように普段から習慣づけておくことが必要なのだろうと思います。コミュニケーションの本質は、元々のマインドを変えていくことが必要であり小手先のスキルやテクニックではない、というところを前提として、必要なマインドとなるために必要な行動(普段アウトプットとして出している言葉など)を意識していきたいなと思います。